NETWORK SPECIALIST / THEME-BASED STUDY
02
IP通信・アドレス制御
ネットワークスペシャリスト 午後対策
2021–2025年度の過去問を、設問・小問単位で再構成
28収録小問・空欄群
16原問の設問を収録
9参照する大問
この冊子の学習順序

IPv4・DHCP・次ホップ → アドレス設計・変換 → IPv6アドレスと自動設定 → 通信サイズ・到達性

各小問は、必要な条件、問題、解答表、解説の順に読む。選択記号は内容を表す語句・文章へ置き換えた。

8冊の構成
冊学習領域収録小問
01L2・LAN・無線ネットワーク19
02IP通信・アドレス制御28
03ルーティング・経路冗長化50
04DNS・Web・アプリケーション通信41
05ネットワークセキュリティ・認証65
06仮想ネットワーク・クラウド・WAN26
07性能・通信品質・可用性設計31
08監視・障害解析・移行運用44

全体は25題・96設問が対象。成立する304小問・空欄群を収録した。小問番号のない設問は1単位、同じ小問内の複数空欄はまとめて1単位と数える。各冊の設問数は分割収録を含むため、合計は全体の設問数と一致しない。

2024年度 午後Ⅱ 問2 設問5(1)〜(3)は、IPAが不成立としたため除外した。

出典と編集範囲

原典:IPA「ネットワークスペシャリスト試験」問題冊子・解答例。
2021年度 / 2022年度 / 2023年度 / 2024年度 / 2025年度
© IPA 2021–2025。問題の条件と解答は原典に基づく再構成であり、逐語転載ではない。解説・図は学習用の編集を含む。技術判断は各過去問の前提に従う。本資料はIPAの公式教材ではない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

IPv4・DHCP・次ホップ

設問1 IPv4のアドレス解決

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問1 / 原題:社内ネットワークのIPv6対応
この冊子の収録小問:枝番なし

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問1

ARP要求とARP応答の対応

IPv4のノードは、相手のIPv4アドレスを基にMACアドレスを調べる。要求を同一セグメントへ広く送り、該当アドレスを持つノードが自身のMACアドレスを返す。

問題

a:ARP要求で、MACアドレスを調べたい相手のIPv4アドレスを格納するフィールドを答えよ。

b:ARP要求の送信方式を答えよ。

c:自身のMACアドレスを要求元へ返すARPメッセージの名称を答えよ。

解答と解説

a宛先IPアドレス
bブロードキャスト
cARPリプライ

解説:解決したい対象のIPv4アドレスを要求に入れ、そのアドレスの所有者から応答を受ける。原問の空欄b・cは語の一部だが、本教材では送信方式とメッセージ名を全体で答える。IPv6で同じ役割を担うのはNDPである。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

IPv4・DHCP・次ホップ

設問1 アドレス変換・給電・DHCPリレー

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問1 / 原題:学校ネットワークの改善
この冊子の収録小問:1・2

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問1(1)

(1) NAPTで変換するアドレスとAPへの給電

学校のPCは192.168.10.0/24などの校内セグメントに属する。インターネット接続ルータはNAPTを使い、内部アドレスをISPから割り当てられたアドレスへ変換する。L2スイッチはイーサネットケーブルでAPへ最大30Wを給電する。

問題

a:校内で使用するIPアドレスの種別を答えよ。

b:ISPから割り当てられた、インターネットで使用するIPアドレスの種別を答えよ。

c:最大30Wを給電する機能名を答えよ。

解答と解説

aプライベートIPアドレス
bグローバルIPアドレス
cPoE+

解説:NAPTは、内部側のプライベートIPアドレスとポート番号を、外部側のグローバルIPアドレスとポート番号へ対応付ける。給電については、原問の「最大30W」という条件からPoE+を選ぶ。

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問1(2)

(2) DHCPリレーのgiaddrが示す所属セグメント

PCとDHCPサーバは別セグメントにある。L3スイッチはDHCPDISCOVERを中継するとき、受信インタフェースのIPアドレスをgiaddrフィールドに格納する。

問題

DHCPサーバはgiaddrの情報を使って何を識別するか。15字以内で答えよ。

解答と解説

PCが属するセグメント

解説:中継元のL3インタフェースは、PC側のセグメントに属している。DHCPサーバはその情報から、どのセグメント用のアドレスを配布すべきか判断できる。PC自身がまだIPアドレスを取得していない段階で使う情報である。

PC側セグメント
→
L3SW:受信IFのIPをgiaddrへ
→
別セグメントのDHCPサーバ
サーバは、リレーが知らせたPC側のネットワークを識別する。
2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

IPv4・DHCP・次ホップ

設問2 ファイル受渡しの認証と認可

2022年度 午後Ⅰ 問1 設問2 / 原題:ITとOTのネットワーク接続
この冊子の収録小問:2

2022年度 午後Ⅰ 問1 設問2(2)

(2) 経路設定を持たないFTAへアクセスできる範囲

FTAは、工場の管理セグメントと事務所のOAセグメントに直接接続する。FTAには静的経路も動的経路制御も設定しない。工場の制御セグメントと管理セグメントの間でもルーティングは行わない。

問題

FTAへアクセスできるセグメントをすべて答えよ。

解答と解説

管理セグメントとOAセグメント。

解説:FTAが直接接続する二つのセグメントを対象にする。制御セグメントからは、管理セグメントを経由して自由にIP転送できる構成ではない。

IPv4・DHCP・次ホップ

設問6 新旧ネットワークの共存と切替

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問6 / 原題:社内システムの更改と移行
この冊子の収録小問:2・3・7・8

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問6(2)

(2) 異なるサブネットへの通信と次ホップMAC

旧PCは172.17.101.0/24側にある。新公開WebサーバはDMZ側にある。旧L3SW1は、新DMZ宛てをVLAN11上のスタックL3SWへルーティングする。

問題

a:旧L3SW1―スタックL3SW間の送信元MACを持つ機器を答えよ。

b:宛先MACを持つ機器を答えよ。

解答と解説

a旧L3SW1
bスタックL3SW

解説:IPパケットの最終宛先はWebサーバでも、この区間のEthernet宛先は次ホップである。ルーティングによって区間ごとにL2ヘッダを作り直す。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問6|新旧ネットワークの共存と切替(続き)

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問6(3)

(3) 共存期間の集約経路と割当可能アドレス

旧DMZ・新DMZのサーバはともに172.16.254.0/24として設定する。旧サーバは.10〜.100を使用する。

旧L3SWは172.16.254.128/25だけをスタックL3SWへ送る。スタックL3SWは同じ/25を新FWへ送る。新FWのDMZ側は172.16.254.0/24の直結ネットワークである。

問題

新公開Webサーバへ割り当てられるIPアドレス範囲を答えよ。

解答と解説

172.16.254.128〜172.16.254.254

解説:経路の/25は新側へ送る範囲を選ぶための設定であり、サーバ自身のサブネットは/24である。そのため.128もホストアドレスとして使える。.255は/24のブロードキャストなので除く。

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問6(7)

(7) ゲートウェイアドレスを引き継いで端末変更を避ける

内部サーバのデフォルトゲートウェイは旧L3SWの仮想IP172.17.11.1である。共存中のスタックL3SWはVLAN11に仮アドレス172.17.11.101を使う。切替時に旧L3SWのIP設定を削除する。

問題

切替後にスタックL3SWのVLAN11へ設定するIPを答えよ。

解答と解説

172.17.11.1

解説:サーバ側のゲートウェイ設定を維持するため、移行先が同じアドレスを引き継ぐ。旧側の削除と新側の設定は重複を起こさない順序で行う。

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問6(8)

(8) DHCPリレーのgiaddrとスコープ選択

PCは複数のサブネットに分かれている。スタックL3SWはDHCPDISCOVERを受け、受信インタフェースのIPをgiaddrへ設定してDHCPサーバへ転送する。

問題

サーバがgiaddrを使う目的を60字以内で答えよ。

解答と解説

PCの収容サブネットを識別し、対応するDHCPスコープからIPアドレスを割り当てるため。

解説:リレーによって届く要求だけでは、サーバ自身の受信インタフェースからPCの所属先を判断できない。giaddrが元のサブネットを選ぶ手掛かりになる。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

IPv4・DHCP・次ホップ

設問1 既存LANのアドレスと転送

2021年度 午後Ⅰ 問1 設問1 / 原題:ネットワーク運用管理の自動化
この冊子の収録小問:1・2

2021年度 午後Ⅰ 問1 設問1(1)

(1) DHCPでDNSサーバの情報を配布する

在庫管理端末はDHCPクライアントである。本社にはDHCPサーバとDNSサーバがある。

問題

名前解決に使うサーバのIPアドレスを端末へ通知するサーバを答えよ。

解答と解説

DHCPサーバ

解説:DNSサーバが名前解決を行うことと、そのDNSサーバのアドレスを端末へ配布することを区別する。端末設定の配布を担当するのはDHCPサーバである。

2021年度 午後Ⅰ 問1 設問1(2)

(2) 単一の/24で収容できる店舗数

本社と店舗は同じ192.168.1.0/24を使う。本社はサーバ3台、L2SW1台、端末2台である。各店舗はL2SW1台と端末2台を置く。各機器はIPアドレスを一つ使う。

問題

IPアドレス数だけで決まる最大店舗数を答えよ。

解答と解説

82店舗

解説:/24の利用可能ホストアドレスは254個である。本社で6個を使うので、店舗向けは248個になる。248÷3の整数部分は82である。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

IPv4・DHCP・次ホップ

設問1 社内通信・名前解決・FWの設定

2022年度 午後Ⅰ 問3 設問1 / 原題:シングルサインオンの導入
この冊子の収録小問:2

2022年度 午後Ⅰ 問3 設問1(2)

(2) DHCPで配布する名前解決先と出口

PCはL3SWのDHCPサーバからIPアドレスとサブネットマスクを取得する。PCは社内DNSで名前を解決し、別セグメントにあるプロキシやサーバへ接続する。

問題

この動作に必要な、追加で配布する二つのネットワーク情報を答えよ。

解答と解説

名前解決社内DNSサーバのIPアドレス
別セグメントへの出口デフォルトゲートウェイのIPアドレス

解説:名前をアドレスに変換する先と、直接接続していない宛先へ転送する先の両方が必要である。

アドレス設計・変換

設問1 IPsec VPNの構成とパケット処理

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問1 / 原題:ローカルブレイクアウトによる負荷軽減
この冊子の収録小問:5

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問1(5)

(5) トンネルインタフェースのIP Unnumbered

本社・支社UTMには、外側のVPN接続用に固定グローバルIPアドレスを設定する。一方、IP-in-IP over IPsecのトンネルインタフェースにはIP Unnumberedを設定する。

問題

IP Unnumberedがどのような設定か答えよ。

解答と解説

インタフェースにIPアドレスの割当てを行わない設定。

解説:外側のVPN接続用アドレスが存在することと、各トンネルインタフェースへ個別にIPアドレスを割り当てることは別である。設問では後者を省く設定を説明する。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

アドレス設計・変換

設問4 LB導入時の通信設計

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問4 / 原題:ECサーバの増強
この冊子の収録小問:2・3

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問4(2)

(2) 既存サーバに新しい実アドレスを設定する

増強後のDNSには、既存ECサーバの新ホスト名ecsv1と192.168.1.5を登録する。従来のサービス用IPはLBのVIPに使う。

問題

既存ECサーバでは、ホスト名のほかに何を変更する必要があるか。

解答と解説

サーバ自身のIPアドレス。

解説:DNSだけを書き換えてもサーバのインタフェース設定は変わらない。LBのVIPと重複しない新しい実IPをサーバ側にも設定する。

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問4(3)

(3) ソースNATなしで応答をLBへ戻す方法

最初の案では、LBはクライアントの送信元IPを変えずにECサーバへ転送する。ECサーバの既存デフォルトゲートウェイはFWzである。応答はLBを通ってからFWzへ戻す必要がある。

問題

この案でECサーバのデフォルトゲートウェイを、どの機器からどの機器へ変更するか。

解答と解説

FWzからLBへ変更する。

解説:送信元がクライアントのままなので、サーバは外部クライアント宛ての応答をデフォルトゲートウェイへ送る。原問では、この案は運用PCへの応答に問題が生じるため、後でソースNAT方式に変更する。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

アドレス設計・変換

設問2 PACによる通信先別のプロキシ選択

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問2 / 原題:ローカルブレイクアウトによる負荷軽減
この冊子の収録小問:3

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問2(3)

(3) 172.16.0.0/12のアドレス範囲

PACにisInNet(ip, "172.16.0.0", "255.240.0.0")という条件がある。ここではホストへの割当て可能範囲ではなく、条件に一致するアドレス空間の両端を求める。

問題

最初のIPアドレスを答えよ。

最後のIPアドレスを答えよ。

解答と解説

最初172.16.0.0
最後172.31.255.255

解説:マスク255.240.0.0は/12である。第2オクテットの上位4ビットが固定され、下位4ビットは0〜15となるため、第2オクテットは16〜31となる。

アドレス設計・変換

設問1 メール転送のDNSとNAT

2024年度 午後Ⅱ 問2 設問1 / 原題:電子メールを用いた製品サポート
この冊子の収録小問:4

2024年度 午後Ⅱ 問2 設問1(4)

(4) メール中継サーバの静的NAT

公開名y-mail1.y-sha.comのAレコードは200.a.b.1を示す。DMZで同じサーバが利用するプライベートIPアドレスは192.168.0.1である。インターネットからの通信はFWで静的NATする。

問題

NAT前の宛先IPアドレスを答えよ。

NAT後の宛先IPアドレスを答えよ。

解答と解説

変換前200.a.b.1
変換後192.168.0.1

解説:インターネット側は公開DNSで得たグローバルIPアドレスへ送る。FWがDMZ内部のアドレスに変換して中継する。a・bは原問のアドレス表記である。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

アドレス設計・変換

設問2 帯域不足とNAPT資源不足の切り分け

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問2 / 原題:学校ネットワークの改善
この冊子の収録小問:3

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問2(3)

(3) NAPT変換時にルータが割り当てる情報

NAPTテーブルは、内部IPアドレス、内部ポート番号、変換後IPアドレス、変換後ポート番号、IPプロトコルを管理する。内部PCから発生したフローを、ルータの外部側アドレスへ変換する。

問題

エントリーを作る際に、ルータ自身が割り当てる値をすべて、項目名で答えよ。

解答と解説

変換後IPアドレス(registered IP address)と変換後ポート番号(assigned port number)

解説:内部IPアドレス、内部ポート番号、IPプロトコルは、受信した通信が持つ情報である。ルータは外部へ送信するときのアドレスとポートを割り当て、戻りの通信を元のPCへ対応付ける。

アドレス設計・変換

設問2 接続経路と証明書の切り分け

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問2 / 原題:ECサーバの増強
この冊子の収録小問:2

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問2(2)

(2) 社内用アドレスへ到達する経路

運用PCのセグメントは192.168.0.0/24である。運用PCはL3SWに接続する。L3SWは広域イーサ網でデータセンターのFWzへ接続し、FWzの先のL2SWにECサーバがある。社内名はDMZのプライベートIPへ解決される。

問題

運用PCから社内名でECサーバへSSH接続する際に経由する機器を、順番に答えよ。

解答と解説

L3SW → FWz → L2SW。

解説:社内用の名前からプライベートIPが得られるため、インターネット側ではなく広域イーサ網経由のDMZ経路を使う。

運用PC
→
L3SW
→
広域イーサ網
→
FWz
→
L2SW・ECサーバ
社内用の名前で接続する際の経路。
2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

IPv6アドレスと自動設定

設問2 IPv6アドレスの割当てとSLAAC

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2 / 原題:社内ネットワークのIPv6対応
この冊子の収録小問:1・2・3・4・5

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2(1)

(1) IPv6表記とModified EUI-64のビット数

IPv6アドレスは128ビットである。コロン区切りで表記する。インタフェース識別子の生成方法として、MACアドレスからModified EUI-64形式へ変換する方法が示されている。

問題

d:コロンで区切られた一つの区画のビット数を答えよ。

e:元になるMACアドレスのビット数を答えよ。

f:Modified EUI-64形式のインタフェース識別子のビット数を答えよ。

解答と解説

d16ビット
e48ビット
f64ビット

解説:128ビットのアドレスを16ビットずつ8区画で表す。/64のアドレスでは、前半64ビットがサブネットプレフィックス、後半64ビットがインタフェース識別子となる。MACアドレスの長さとIPv6アドレス全体の長さを取り違えない。

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2(2)

(2) リンクローカルアドレスが有効な範囲

IPv6ではリンクローカルユニキャストアドレス(LLA)とグローバルユニキャストアドレス(GUA)を使い分ける。LLAは、ある範囲内でネットワークインタフェースを識別する。

問題

LLAが有効な範囲を20字以内で答えよ。

解答と解説

データリンク層で通信可能な範囲

解説:同じLLAを異なるリンクで使う構成が原問に登場する。アドレスだけでインターネット全体の機器を一意に示す用途ではない。そのためLLAをネクストホップにするときは、出口インタフェースの情報と合わせて読む。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2|IPv6アドレスの割当てとSLAAC(続き)

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2(3)

(3) IPv6アドレス使用前の重複確認

ノードは仮のLLAやGUAを作り、対象アドレスをNSメッセージに入れて送信する。他ノードからNAメッセージの応答がないことを確認してから使用する。

問題

この確認を行う目的を55字以内で答えよ。

解答と解説

同じデータリンク層上に同じIPv6アドレスを使用しているノードがいないことを確認するため

解説:自動生成したアドレスでも、使用前の重複確認が必要となる。確認対象は同じリンク上でのアドレス重複であり、外部サイトとの疎通やDNS登録の確認ではない。

仮のIPv6アドレスを生成
→
NSで重複を確認
→
重複がなければ使用
原問のLLA・GUA生成手順に共通する部分を再構成。

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2(4)

(4) RAのプレフィックスと識別子からGUAを組み立てる

正式なLLAはfe80::8:800:200c:417aである。受信したRAのサブネットプレフィックスは2001:db8:aabb:1::/64である。インタフェース識別子はLLAと共通とする。

問題

生成されるGUAとプレフィックス長を答えよ。

解答と解説

GUA2001:db8:aabb:1:8:800:200c:417a
プレフィックス長64

解説:RAで得た前半64ビットと、LLAの後半64ビットを連結する。LLAのfe80という部分を、そのままGUAの途中に残さない。/64はプレフィックスの長さであり、アドレス全体の長さではない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2|IPv6アドレスの割当てとSLAAC(続き)

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問2(5)

(5) RA送信元をデフォルトルータに設定する

PCはRSを送信し、ルータからRAを受信する。PCはそのルータを経由して、リンク外のノードと通信する。

問題

RAの送信元であるルータのLLAを、PCのどの設定に使用するか。

解答と解説

デフォルトルータ(デフォルトゲートウェイ)

解説:RAはGUA生成用のプレフィックスだけでなく、リンク外への出口を決める情報も提供する。出口を指定するのはルータのLLAであり、PC自身に割り当てたGUAではない。

通信サイズ・到達性

設問4 IPv6の経路・アクセス制御・運用設計

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問4 / 原題:社内ネットワークのIPv6対応
この冊子の収録小問:3・7・8

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問4(3)

(3) SLAACにおけるL3スイッチの応答

PCはSLAACでIPv6アドレスとデフォルトルータを設定する。PCの接続先は拠点L3スイッチであり、PCはルータを探すためのICMPv6メッセージを送る。

問題

L3スイッチの動作を、ICMPv6メッセージ名を用いて40字以内で答えよ。

解答と解説

PCが送信したRSメッセージに対してRAメッセージを応答する。

解説:RSが要求、RAがルータからの通知である。MACアドレス解決のNS・NAと混同しない。PCはRAからアドレス生成とリンク外への通信に必要な情報を得る。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問4|IPv6の経路・アクセス制御・運用設計(続き)

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問4(7)

(7) IPv4設計で利用していたアドレス・ポート変換

従来のIPv4ネットワークは、FWのアクセス制御に加えて、社内の複数PCの通信をルータBの外部側IPアドレスとポートへ変換していた。IPv6の設計では、この変換を利用しない。

問題

従来のIPv4側でルータBに設定していた変換機能の名称を答えよ。

解答と解説

NAPT

解説:アドレスだけでなくポート番号を対応付ける変換である。原問は、IPv6ではこれを使わないため、FWのアクセス制御を慎重に設計する必要があるとしている。アドレス変換とアクセス許可の役割は分けて考える。

2025年度 午後Ⅱ 問1 設問4(8)

(8) ICMPv6 Packet Too Bigと経路MTU探索

中継装置が、出口のMTUより大きいIPv6パケットを転送できない場合、送信元へICMPv6タイプ2のPacket Too Bigを返す。この通知はPMTUDで使われる。

問題

PMTUDで検出する値を20字以内で答えよ。

解答と解説

通信経路における最小のMTU

解説:送信元の直結リンクだけでなく、通信先までの経路全体で通せるサイズを調べる。原問は、必要なICMPv6まで一律に拒否すると、この制御を妨げて通信障害になり得ることを指摘している。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

関連技術・設計判断

設問3 HTTP多重化とNAPTエントリー管理

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問3 / 原題:学校ネットワークの改善
この冊子の収録小問:3

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問3(3)

(3) HTTP/3利用時のUDP保持時間の調整

HTTP/3はQUICでストリームを実現し、トランスポートにUDPを使う。ルータは無通信状態のUDPのNAPTエントリーを300秒保持する。TCPではFINやRSTを見て保持時間を短くする設定がある。

問題

どのプロトコルの保持時間をどう変更するか。25字以内で答えよ。

その変更で得られる効果を45字以内で答えよ。

解答と解説

調整UDPの保持時間を300秒より小さくする。
効果未使用のUDPフローによるNAPT変換エントリーを早期に削除できる。

解説:HTTP/3の通信が終わっても、UDPの変換状態が長く残ればテーブルを占有する。保持時間の短縮で未使用状態を早く回収する。ただし原問は、極端な短縮で別の問題が起こり得ることも注意しており、短ければ短いほどよいとはしていない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

関連技術・設計判断

設問3 サーバ増強とアドレス変換

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問3 / 原題:ECサーバの増強
この冊子の収録小問:3

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問3(3)

(3) FWとLBを通過するアドレス変換

公開ECアドレス100.α.β.2は、FWzで192.168.1.2へ変換される。増強後は192.168.1.2をLBの仮想IPとして使う。LBの物理IPは192.168.1.4、既存ECサーバの新IPは192.168.1.5である。

クライアントからFWz、LB、既存ECサーバの順に通信する。LBがソースNATを行う場合は、バックエンドへ送る通信の送信元をLBの物理IPへ変換する。

問題

i:クライアントがインターネット上で接続する宛先IPを答えよ。

j:FWzで変換した後、LBが受け取る宛先IPを答えよ。

k:LBがソースNATした後の送信元IPを答えよ。

解答と解説

i100.α.β.2
j192.168.1.2
k192.168.1.4

解説:FWは公開IPと内部のサービスIPを対応付ける。LBはサービスIPで受けた通信を実サーバへ振り分ける。ソースNATを有効にすると、実サーバから見える送信元はLBになる。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材