NETWORK SPECIALIST / THEME-BASED STUDY
07
性能・通信品質・可用性設計
ネットワークスペシャリスト 午後対策
2021–2025年度の過去問を、設問・小問単位で再構成
31収録小問・空欄群
22原問の設問を収録
18参照する大問
この冊子の学習順序

必要容量の見積り → QoSと通信遅延 → 負荷分散と可用性 → 負荷削減と端末制約

各小問は、必要な条件、問題、解答表、解説の順に読む。選択記号は内容を表す語句・文章へ置き換えた。

8冊の構成
冊学習領域収録小問
01L2・LAN・無線ネットワーク19
02IP通信・アドレス制御28
03ルーティング・経路冗長化50
04DNS・Web・アプリケーション通信41
05ネットワークセキュリティ・認証65
06仮想ネットワーク・クラウド・WAN26
07性能・通信品質・可用性設計31
08監視・障害解析・移行運用44

全体は25題・96設問が対象。成立する304小問・空欄群を収録した。小問番号のない設問は1単位、同じ小問内の複数空欄はまとめて1単位と数える。各冊の設問数は分割収録を含むため、合計は全体の設問数と一致しない。

2024年度 午後Ⅱ 問2 設問5(1)〜(3)は、IPAが不成立としたため除外した。

出典と編集範囲

原典:IPA「ネットワークスペシャリスト試験」問題冊子・解答例。
2021年度 / 2022年度 / 2023年度 / 2024年度 / 2025年度
© IPA 2021–2025。問題の条件と解答は原典に基づく再構成であり、逐語転載ではない。解説・図は学習用の編集を含む。技術判断は各過去問の前提に従う。本資料はIPAの公式教材ではない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

必要容量の見積り

設問4 EVPNによる制御とマルチホーム

2024年度 午後Ⅱ 問1 設問4 / 原題:VXLANとEVPNを用いるデータセンターネットワーク
この冊子の収録小問:3

2024年度 午後Ⅱ 問1 設問4(3)

(3) アクティブ・アクティブ接続の帯域利用

従来は物理サーバの二つのNICをアクティブ・スタンバイで使っていた。EVPN導入後は、二台のL3SWへの回線をリンクアグリゲーションし、両方をアクティブにする。

問題

従来構成と比較した利点を答えよ。

解答と解説

二つの回線の帯域を有効に利用できる。

解説:従来は待機側の回線を通常の転送に使わなかった。両回線を利用可能にすることが利点であり、一つのフローが必ず二倍速になるという意味ではない。

必要容量の見積り

設問3 VoIP導入時の帯域と給電

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問3 / 原題:VoIPの通信品質確保
この冊子の収録小問:1

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問3(1)

(1) 外線音声に必要な最大帯域を計算する

本社の外線は80回線、営業所5拠点の外線は各10回線である。移行後の外線音声は全て本社のIPsecルータを通る。1回線当たりの必要帯域はヘッダを含め34.4 kbit/sである。

問題

L3SWからIPsecルータへ出力される外線音声の最大帯域を求めよ。

解答と解説

4,472 kbit/s

解説:外線の総数は80+5×10=130回線である。130×34.4=4,472となる。拠点間の内線回線数は、この外線向け区間の計算に加えない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

必要容量の見積り

設問4 スタックの運用と帯域

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問4 / 原題:社内システムの更改と移行
この冊子の収録小問:2

2021年度 午後Ⅱ 問1 設問4(2)

(2) アクティブ/アクティブで帯域を活用する区間

新ディレクトリサーバと新内部DNSは、それぞれ2本のNICをアクティブ/アクティブにする。各NICはスタックL3SWを構成する別の物理機器へ接続する。従来はアクティブ/スタンバイだった。

問題

端末L2SW向け以外で帯域を有効利用できる区間を一つ答えよ。

解答と解説

スタックL3SWと新ディレクトリサーバの間。

解説:従来の待機リンクも通信に使える構成になる。同じ理由で、スタックL3SWと新内部DNSサーバ間も正答となる。

必要容量の見積り

設問3 制御通信のミラー収集

2022年度 午後Ⅰ 問1 設問3 / 原題:ITとOTのネットワーク接続
この冊子の収録小問:2・5

2022年度 午後Ⅰ 問1 設問3(2)

(2) 双方向通信を1本のミラーポートへ集約する制約

監視対象は1Gビット/秒の全二重リンクである。ネットワークタップなら送信側と受信側を別々の入力ポートへ複製する。採用案では、L2SWのミラーポート1本を1000BASE-SXでNPBへ接続し、双方向をまとめて送る。

問題

ミラーポート方式では、性能上どのような制約が生じるか。

解答と解説

送信側と受信側のトラフィックを、合計1Gビット/秒までしか取り込めない。

解説:監視対象は各方向に1Gビット/秒を流せるが、複製先は1本である。双方向の合計が出力容量を超えると、すべてのパケットを複製できなくなる。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2022年度 午後Ⅰ 問1 設問3|制御通信のミラー収集(続き)

2022年度 午後Ⅰ 問1 設問3(5)

(5) 長期パケット保存に必要な容量

キャプチャサーバへの平均入力は100kビット/秒である。1000日分を無圧縮で保存する。1kビットは10³ビット、1Gバイトは10⁹バイトとし、追加メタデータは無視する。

問題

必要なディスク容量をGバイトで求めよ。

解答と解説

1,080Gバイト。

解説:100×10³÷8=12,500バイト/秒である。12,500×86,400秒×1,000日÷10⁹=1,080Gバイトとなる。ビットからバイトへの変換を先に行うと計算を追いやすい。

必要容量の見積り

設問3 動画配信を支えるLANの設計

2023年度 午後Ⅰ 問3 設問3 / 原題:高速無線LANの導入
この冊子の収録小問:1・2

2023年度 午後Ⅰ 問3 設問3(1)

(1) 1教室50台の動画配信帯域

1教室のノートPCは50台であり、各PCが1時間当たり7.2Gバイトの動画を同時に再生する。各教室にはAPを1台設置する。Gは10の9乗とし、各層のヘッダなどのオーバーヘッドは考慮しない。

問題

フロアL2SWと1台のAPの間に必要な最大トラフィック量をMビット/秒で求めよ。

解答と解説

800Mビット/秒。

解説:1台分は7.2×10⁹×8÷3600=16×10⁶ビット/秒となる。50台分では16×50=800Mビット/秒である。これは通常の1教室分であり、他教室の端末が接続してくる場合は別に評価する。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2023年度 午後Ⅰ 問3 設問3|動画配信を支えるLANの設計(続き)

2023年度 午後Ⅰ 問3 設問3(2)

(2) 基幹・サーバ間の帯域をリンク集約で確保する

サーバL2SW2台と基幹L3SW2台を複数の10GbEリンクで接続する。サーバ側の動画通信は、この区間に集約される。初期案ではSTPとVRRPを用いる。

変更案では、各スイッチ対をスタック化する。サーバL2SWと基幹L3SWの間も、装置をまたぐリンクアグリゲーションで接続する。

問題

ボトルネックが懸念される接続区間を機器名で示し、リンクアグリゲーションが有効な理由を答えよ。

解答と解説

接続区間サーバL2SWと基幹L3SWの間
理由平常時にリンク本数分の帯域を同時に利用できるから。

解説:STPではループを防ぐため、一部の経路が転送に使われない。リンクアグリゲーションでは、複数の通信を束ねたリンクへ分散できる。単一通信の速度がリンク本数倍になるという意味ではない。

必要容量の見積り

設問2 帯域とグループアドレスの設計

2023年度 午後Ⅰ 問2 設問2 / 原題:IPマルチキャストによる映像配信
この冊子の収録小問:1・2

2023年度 午後Ⅰ 問2 設問2(1)

(1) ユニキャスト配信で送信負荷が増える理由

同じカメラ映像を複数のレシーバが同時に視聴する。ユニキャスト配信では、カメラがレシーバごとに映像データを送る。

問題

レシーバが増えた場合、ユニキャスト配信の送信元にはどのような問題が生じるか。

解答と解説

レシーバの数に応じて、ソースが送信する通信量が増える。

解説:映像内容が同じでも、宛先ごとに同じデータを送るためである。マルチキャストでは、必要な地点でネットワーク側が複製する。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2023年度 午後Ⅰ 問2 設問2|帯域とグループアドレスの設計(続き)

2023年度 午後Ⅰ 問2 設問2(2)

(2) 20台のカメラに必要な幹線帯域

カメラは20台あり、各カメラの映像レートは8Mビット/秒である。レシーバは6台あり、各レシーバは最大4映像を同時に受信できる。カメラ側の幹線では、マルチキャストによって各カメラのデータを一つずつ転送する。

問題

全カメラの映像が配信されるとき、カメラ側幹線に流れる映像データの最大通信量を求めよ。

解答と解説

160Mビット/秒。

解説:20台×8Mビット/秒=160Mビット/秒となる。受信可能な映像数は6台×4=24であり、20台分を受信できる。同じ映像を複数のレシーバが受信しても、この幹線でその映像の送信量が増えるわけではない。

必要容量の見積り

設問2 帯域不足とNAPT資源不足の切り分け

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問2 / 原題:学校ネットワークの改善
この冊子の収録小問:2・4

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問2(2)

(2) ベストエフォート回線の実効速度改善

最大1Gビット/秒のベストエフォート型回線を利用している。実測速度は約200Mビット/秒で頭打ちとなり、ルータのCPUには余裕があった。ISPは、契約中のサービスでは構成や時間帯によりその程度になると説明した。

問題

実効速度を改善するために検討する、ベストエフォート型ではない契約形態を答えよ。

解答と解説

帯域確保型

解説:装置のCPU不足ではなく、利用中の回線サービスが実効速度の制約になっている。最大速度の表記だけで性能を判断せず、必要な帯域を確保する契約形態を検討する。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問2|帯域不足とNAPT資源不足の切り分け(続き)

2025年度 午後Ⅰ 問2 設問2(4)

(4) 同時利用台数からNAPTテーブル容量を求める

PCは600台ある。PC1台当たり最大200セッションを見積もる。現在のNAPT変換テーブル上限は65,536エントリーである。PC以外の通信は考慮しない。

問題

現在の上限で、すべてのPCが最大セッション数を使える台数を求めよ。

600台が同時利用するために必要な最小エントリー数を求めよ。

解答と解説

同時利用可能台数327台
必要エントリー数120,000

解説:65,536÷200=327.68なので、上限を超えない整数台数は327台となる。600台に必要な数は600×200=120,000である。端数の切り上げ・切り捨ては、資源上限と必要容量のどちらを求めているかで判断する。

QoSと通信遅延

設問5 ECMPとVRRPによる冗長化

2022年度 午後Ⅱ 問1 設問5 / 原題:テレワーク環境とネットワーク冗長化
この冊子の収録小問:3・4

2022年度 午後Ⅱ 問1 設問5(3)

(3) ECMPのフロー単位分散とパケット順序

対象L3SWはパケット単位のランダムな分散と、送信元・宛先IPアドレスのハッシュ値によるフロー単位の分散を備える。

問題

通信品質を考えてフロー単位の分散を選ぶ理由を35字以内で答えよ。

解答と解説

パケットの到着順序の逆転が起こりにくいから。

解説:同じ通信を異なる遅延の経路に交互に流すと、後のパケットが先に届き得る。フロー内で経路を固定すれば、その要因を減らせる。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2022年度 午後Ⅱ 問1 設問5|ECMPとVRRPによる冗長化(続き)

2022年度 午後Ⅱ 問1 設問5(4)

(4) IPアドレスのハッシュによる負荷分散

多数の社内PCと業務サーバが通信する。L3SWは送信元IPアドレスと宛先IPアドレスからハッシュ値を求め、等コスト経路を選ぶ。

問題

原問で回線利用率がほぼ均等になると判断した理由を45字以内で答えよ。

解答と解説

送信元IPアドレスと宛先IPアドレスから計算したハッシュ値が偏らないから。

解説:分散の単位はパケット数そのものではなく、IPアドレスの組から計算する値である。原問の判断は、この値の偏りが小さいという前提に基づく。

QoSと通信遅延

設問1 IPsec VPNの構成とパケット処理

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問1 / 原題:ローカルブレイクアウトによる負荷軽減
この冊子の収録小問:6

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問1(6)

(6) トンネルでのIPフラグメント処理負荷

IP-in-IPとIPsecのヘッダーが加わると、転送パケットのサイズが増える。UTMにはTCPパケットのIPフラグメントを防止する設定がある。この設定を行わず、UTMでフラグメント処理が発生する場合を考える。

問題

UTMに生じる影響を答えよ。

解答と解説

転送負荷の増大。

解説:分割による追加処理が必要になる。ここでは通信が必ず失敗するという判断ではなく、UTMの処理負荷への影響が問われている。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

QoSと通信遅延

設問4 L2・L3の優先制御

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問4 / 原題:VoIPの通信品質確保
この冊子の収録小問:3・4・5

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問4(3)

(3) 最優先キューでも待ち時間が生じる場合

L2SWは音声を最優先キュー1、データをキュー2へ入れる。機器の内部処理時間は無視する。音声が到着した時点でキュー1は空だった。

問題

それでも音声フレームが待つ場合を20字以内で答えよ。

解答と解説

データフレームを既に出力している場合。

解説:優先順位は次に送るフレームの選択に適用される。既に送信し始めたデータフレームの途中へ、音声フレームを割り込ませる処理ではない。

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問4(4)

(4) 受信ポートごとにCoS利用と分類を分ける

本社L3SW0は、IPsecルータ、FW、ファイルサーバ、業務サーバ、eLNサーバ、端末収容L2SW01・L2SW02、広域網へ接続する。営業所L3SW1は広域網と端末収容L2SW1へ接続する。

端末側IP電話はCoSを付ける。サーバ側などはCoSを付けない。広域網を渡るパケットには既にDSCPを付けている。

問題

a:CoSをDSCPへ対応付ける受信ポートを、接続先で答えよ。

b:音声・eLN・その他を新たに分類してDSCPを付ける受信ポートを、接続先で答えよ。

解答と解説

a本社L3SW0のL2SW01向け・L2SW02向け、および営業所L3SW1のL2SW1向け。
b本社L3SW0のIPsecルータ向け、FW向け、ファイルサーバ向け、業務サーバ向け、eLNサーバ向け。

解説:既に端末側で付いたCoSは活用する。未マーキングのサーバ側などでは通信種別を判定する。拠点間リンクはDSCPが付いた状態であり、この二つの分類対象に含めない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問4|L2・L3の優先制御(続き)

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問4(5)

(5) 動画と一般データを別キューへ分ける

音声は最優先キュー1で処理する。残りの通信は、eラーニング動画用キュー2に75%、一般データ用キュー3に25%の重みを付けてWRRで転送する。

問題

動画を一般データと別キューへ入れる目的を35字以内で答えよ。

解答と解説

一般データによるeラーニング動画の転送への影響を小さくするため。

解説:同じ待ち行列へ混在させず、動画に対して重み付きの転送機会を確保する。音声最優先の設定とは別に、残りの通信同士の干渉を抑えている。

QoSと通信遅延

設問2 既存音声網と遅延

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問2 / 原題:VoIPの通信品質確保
この冊子の収録小問:2

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問2(2)

(2) ジッタバッファを大きくしすぎる影響

IPゲートウェイは音声パケットの到着間隔の揺らぎを吸収するバッファを持つ。バッファ容量を増やすことを検討している。

問題

会話が不自然になり得る理由を「パケット」を用いて20字以内で答えよ。

解答と解説

パケットの音声化遅延が大きくなるから。

解説:揺らぎを吸収するために待つ時間が増える。欠落の抑制と、会話の往復遅延の増加を分けて考える。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

QoSと通信遅延

設問1 音声パケットとQoSの基礎

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問1 / 原題:VoIPの通信品質確保
この冊子の収録小問:枝番なし

2021年度 午後Ⅰ 問3 設問1

音声符号化・UDP・DSCPの関係

音声はG.729のCS-ACELPで符号化する。IP・トランスポート層・RTPのヘッダを付けて運ぶ。大量の動画通信と同じLANを使い、Diffservで優先制御する。

問題

a:CS-ACELPのビットレートをkbit/sで答えよ。

b:RTPの下位で使うトランスポート層プロトコルを答えよ。

c:輻輳時に遅延とともに生じる、パケットが失われる現象を答えよ。

d:DSCPとして再定義された部分を持つIPv4ヘッダの旧フィールド名を答えよ。

解答と解説

a8 kbit/s
bUDP
c廃棄(ドロップ・損失)
dToS

解説:符号化した音声のビットレートだけで回線帯域は決まらない。ヘッダの追加分も必要になる。輻輳による遅延と廃棄は、通話品質を損なう別の現象である。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

負荷分散と可用性

設問2 BGPとVRRPによるマルチホーム接続

2023年度 午後Ⅱ 問1 設問2 / 原題:マルチクラウド利用による可用性向上
この冊子の収録小問:7

2023年度 午後Ⅱ 問1 設問2(7)

(7) マルチホーム構成で試験する六つの障害箇所

本社のL2SW10はR11とR13の両方に接続する。R11は専用線でR12へ、R13は別の専用線でR14へ接続する。R11とR13はVRRPを構成する。R12とR14自体の障害試験は事業者が実施済みである。

問題

残る単一障害の試験箇所を、機器名又は接続区間で六つ答えよ。

解答と解説

機器1R11
機器2R13
回線1R11―R12間
回線2R13―R14間
回線3R11―L2SW10間
回線4R13―L2SW10間

解説:装置故障だけでなく、WAN側とLAN側のリンク断を分けて試験する。どの故障でも、利用可能なもう一方へ切り替わるかを確認する。

本社LAN
→
L2SW10
→
R11
→
R12
→
事業者網
本社LAN
→
L2SW10
→
R13
→
R14
→
事業者網
二つの出口を構成する装置と接続区間。
2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

負荷分散と可用性

設問3 サーバ増強とアドレス変換

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問3 / 原題:ECサーバの増強
この冊子の収録小問:1・2

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問3(1)

(1) スケールアップとスケールアウト

ECサーバのCPU使用率が設計値を超えた。処理能力の増強方法として、1台の性能を高める方法と、サーバを追加して処理を分担する方法を比較している。

問題

g:1台の処理能力を高める方式の名称を答えよ。

h:台数を増やして処理能力を高める方式の名称を答えよ。

解答と解説

gスケールアップ
hスケールアウト

解説:原問ではサービスを止めずに増強するため、追加サーバへ処理を振り分けるスケールアウトを採用する。

2023年度 午後Ⅱ 問2 設問3(2)

(2) 必要性能が2台分でも3台にする理由

ECサイトの必要処理能力はサーバ2台で満たせる。設計では3台を設置し、LBで負荷を分散する。将来のアクセス増加は考慮しない。

問題

3台構成にする目的を答えよ。

解答と解説

1台が故障しても、ECサイトの応答速度を低下させないため。

解説:1台を失っても必要な2台分の処理能力が残る。正常時の性能だけでなく、単一障害時の性能を満たす構成である。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

負荷分散と可用性

設問1 メール転送のDNSとNAT

2024年度 午後Ⅱ 問2 設問1 / 原題:電子メールを用いた製品サポート
この冊子の収録小問:2

2024年度 午後Ⅱ 問2 設問1(2)

(2) DNSキャッシュによる振分けの偏りを抑える

社内DNSの既定TTLは172800秒である。二台への振分けに使うmail.y-sha.lanのAレコードだけはTTLを60秒にしている。

問題

振分けの偏りを小さくするための設定を答えよ。

解答と解説

TTLを60秒と短い値にしている。

解説:長い間同じDNS応答を使い続けると、同じ転送先が選ばれやすくなる。キャッシュ時間を短くして、名前解決し直す機会を増やす。

負荷分散と可用性

設問1 仮想サーバの冗長構成

2022年度 午後Ⅱ 問2 設問1 / 原題:仮想化技術の導入
この冊子の収録小問:2

2022年度 午後Ⅱ 問2 設問1(2)

(2) 冗長な仮想サーバを異なる物理ホストに置く

同じAPを動かす仮想サーバ2台でVRRPを構成する。配置先を同一物理ホストとするか、異なる物理ホストとするかを検討している。

問題

同一物理ホストへ収容した場合の可用性上の問題を40字以内で答えよ。

解答と解説

物理ホストが停止すると、AP仮想サーバが2台とも停止する。

解説:仮想サーバを2台用意しても、共通の物理ホストが単一障害点のままでは冗長化の目的を満たさない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

負荷分散と可用性

設問1 配信サーバの負荷分散と死活監視

2024年度 午後Ⅰ 問1 設問1 / 原題:コンテンツ配信ネットワーク
この冊子の収録小問:2

2024年度 午後Ⅰ 問1 設問1(2)

(2) 接続時間が異なる配信の負荷分散

各配信サーバの性能は同じである。配信ファイルの大きさにはばらつきがあり、接続時間が変動する。方式の候補は順番に接続を割り当てるラウンドロビンと、現在の接続数が最も少ないサーバへ割り当てる方式である。ゲームα・β・γのサーバは、それぞれ172.21.1.0/24、172.22.1.0/24、172.23.1.0/24に置く。

問題

同時接続数をなるべく均等にする方式名を答えよ。

ゲームβの性能を増強するとき、サーバを追加するセグメントを答えよ。

解答と解説

方式最少接続数方式
増設先172.22.1.0/24

解説:接続を同じ回数ずつ割り当てても、長時間残る接続が多いサーバは混雑する。現在の接続数を見て振り分ける方式が条件に合う。増設先は対象ゲームに対応するサーバ群のセグメントで判断する。

負荷削減と端末制約

設問4 IoT端末の負荷・電力・時刻管理

2025年度 午後Ⅱ 問2 設問4 / 原題:LPWAを用いたガスメーターのIoTシステム
この冊子の収録小問:1・2

2025年度 午後Ⅱ 問2 設問4(1)

(1) 大量IoT端末の送信時刻分散

数万台のGメーターが毎時測定する。各端末は0時の測定後、過去24回分を送る前に0〜1時間の範囲でランダムに待つ。

問題

ランダムに送信を遅らせる効果を答えよ。

解答と解説

Gメーター管理サーバやネットワークへの負荷の集中を避ける。

解説:全端末の送信を0時に揃えると、短時間に要求が集中する。待ち時間を分散させれば、総データ量を変えずに同時送信数を抑えられる。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

2025年度 午後Ⅱ 問2 設問4|IoT端末の負荷・電力・時刻管理(続き)

2025年度 午後Ⅱ 問2 設問4(2)

(2) 測定・送信後のスリープ

Gメーターは電池で長期間動作する。測定や送信を終えた後は、次の処理時刻までスリープ状態にする。

問題

スリープ状態にする効果を答えよ。

解答と解説

Gメーターの消費電力を抑える。

解説:常時動作させるのではなく、測定と送信に必要な時間だけ動作させる。設問が求めるのはサーバ負荷ではなく端末側の電力への効果である。

負荷削減と端末制約

設問2 PACによる通信先別のプロキシ選択

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問2 / 原題:ローカルブレイクアウトによる負荷軽減
この冊子の収録小問:4

2024年度 午後Ⅰ 問3 設問2(4)

(4) 社内宛て通信をプロキシから除外する効果

各支社は本社のプロキシを利用する。PACで宛先がプライベートIPアドレスの場合にDIRECTを返し、その通信をプロキシへ送らないようにする。

問題

この設定で得られる負荷軽減の効果を答えよ。

解答と解説

本社のプロキシサーバの負荷軽減。

解説:社内宛ての通信を中継対象から外すため、プロキシの処理が減る。宛先が社内であることと、直接通信できる構成であることが判断の前提となる。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

負荷削減と端末制約

設問3 SGW経由通信の検証

2022年度 午後Ⅰ 問2 設問3 / 原題:セキュアゲートウェイサービスの導入
この冊子の収録小問:2

2022年度 午後Ⅰ 問2 設問3(2)

(2) SGW導入による応答時間の変化

従来は本社FWからインターネットへ出てSaaSへ接続していた。導入後はIPsecでSGWのPOPへ接続し、SGWのFW機能を経由してSaaSへアクセスする。

問題

SaaSの応答時間が従来より長くなると考えられる要因を答えよ。

解答と解説

SGWサービスを経由することによって発生する遅延。

解説:通信経路と通過する処理が増える。接続の成否だけでなく、実際の業務利用で許容できる応答時間かも測定する。

負荷削減と端末制約

設問3 SWG導入に伴う通信経路と制御の変更

2025年度 午後Ⅰ 問3 設問3 / 原題:セキュアWebゲートウェイの導入
この冊子の収録小問:5

2025年度 午後Ⅰ 問3 設問3(5)

(5) 社内サーバへの直接通信で減らせる負荷

社内PCから社内業務用サーバへの通信も、当初はSWGへ送り、インターネットから社内へ戻す案だった。業務用サーバのプライベートIPを直接接続リストへ追加し、社内では直接接続させる。

問題

通信経路に着目した利点を一つ、10字以内で答えよ。

解答と解説

FWの負荷軽減

解説:社内で完結する通信を外へ迂回させなければ、通過するFWや回線の負荷を減らせる。公式解答は、RTT短縮や可用性向上など、直接通信・経路短縮の利点も認めている。検査機能が自動的に強くなるという理由ではない。

2021–2025 / 原問に基づくテーマ別教材

関連技術・設計判断

設問4 輻輳と異常を捉える監視設計

2021年度 午後Ⅱ 問2 設問4 / 原題:インターネット接続環境の更改
この冊子の収録小問:2

2021年度 午後Ⅱ 問2 設問4(2)

(2) 片系停止に耐える二回線の平常時利用率

同一帯域の専用線を二回線利用し、トラフィックを均等に分散できると仮定する。一回線が故障すると、全通信が残る一回線へ集約される。通信量は障害前後で変わらない。

問題

片系故障時に帯域超過を起こさないため、平常時の各回線の利用率を何%以下に抑えるべきか。

解答と解説

50%。

解説:各回線の容量をC、平常時の通信量をxとすれば、障害時は残る回線に2xが流れる。2x≦Cから、x/C≦1/2となる。これは均等分散と通信量不変を仮定した上限である。

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